明治150年 歴史より、現代の難問を解決するブログ

明治以来150年間、日本が経験してきたことを、歴史は繰り返すの観点から、現代の難問を解決します。

世界大恐慌の真実と突破口が見えない日本。そして行き着いた驚がくのてん末は。

(2017年9月17日に更新しました。)

 

こんにちは

Meiji150です。

 

1920年

日本は、「慢性不況」と呼ばれる

倒産、失業が続く、暗い時代でしたが

 

1920年代のアメリカといえば、

それはそれは黄金色に輝く

最も豊かで、最も華やかな、繁栄の時代でした。

 

ところが1929年10月29日の

ウオール街の株価大暴落をきっかけに

アメリカは、繁栄の1920年代の反動で、

大恐慌が起こります。

 

1920年代とは裏腹に

1930年代のアメリカは大不況の時代となります。

 

では、なぜウオール街の暴落は起こったのでしょうか。

 

実はコレ、学者によっていろんな意見があって、

はっきりしないのです。

 

1920年代のアメリカは

第1次世界大戦をきっかけに

世界のチャンピオンに躍り出たのですから

まさに向かうところ敵なしの

イケイケ状態です。

 

この時期は実際に手元資金がないのに

株の信用取引が横行していたらしいです。

日本のバブルの時のように、ね。

 

やや過熱気味になってきたところへ

循環的な、ごく小さな不況がやってきて

一部投資家が株を手放したのをきっかけに

不安が連鎖し

資金回収のため

皆が投げ売りを開始しだして

 

大暴落に結びつきました

 

これをきっかけに

さしもの繁栄を誇っていたアメリカも

超不況、倒産・失業時代に!

 

触れ巾が大きいほど反動は大きくてこわいですね。

 

ルーズベルト大統領は

ニューディール政策」といって

なんとか雇用を創出しようと

積極的な公共事業を打ち出すんだけど

効果が出るまでに時間がかかり

結局、途中でギブアップ

してしまうんです。

 

アメリカ発の不況は

世界に影響が出て

世界大恐慌に陥ります。

 

もちろん日本も例外ではありません。

この時代のことは学ぶことが

多すぎるくらいありますね。

 

まさに教訓の泉です。

 

日本はどんどん物価が下がっていく。

 

でもこれ庶民には

とっても歓迎されていたんですね。

1930年(昭和5年)は良い年が越せる。

物価が安くて、楽になったと。

当時の新聞は、そんな世相を

伝えているんです。

 

お気楽なものですね。

 

でも、現代だって、似たようなものです。

正常な経済でないことは

歴史が教えてくれています。

 

この時、ライオン宰相と呼ばれた濱口雄幸首相が

金輸出解禁」を行ったのですが

この金輸出解禁、略して「金解禁」は

近代史を語る上で

とても大切な問題なんです。

 

ちょっとややこしいですが

付き合ってくださいね。

 

ひと言で言えば

近代の貨幣経済金本位制

金の信用力で貨幣経済

まわしていたんですが

 

非常事態には自国の金の流出を防ごうと

国は防衛上、金輸出禁止にするんです。

 

だから第1次世界大戦の非常時に

列強各国は金輸出禁止にします。

 

そして平和が戻れば金解禁にして

正常な金本位制に戻します。

 

あ、金本位制は現代では行われていませんよ。

 

現代はその代わりに管理通貨制度っていって 

各国の責任で発行量をコントロールしています。

これは現代のアベノミクスでも出てくる

重要な考え方なので

その時もう一回説明します。

 

で、日本なんですが

アメリカやヨーロッパの各国が

金解禁に踏み切っても

日本は金解禁ができていなかった。

 

というのも、ひどい不況で、

そのタイミングを逸したんですね。

 

その時に登場するのが

「ひげだるま」こと高橋是清蔵相です。

 高橋は濱口内閣のもとで金解禁を断行する。

で、円安操作を行うんです。

 

これによって日本の製品が売れやすく

しようとしたんですが

各国の非難を浴びます。

ソーシャルダンピング」だと叩かれるんです。

 

ソーシャルダンピング、聞き慣れない言葉ですね。

別名、為替ダンピングとも言います。

 

国が操作をして外国に自国製品を

安く売りつけようとすることです。

今でもこの言葉は使います。

 

でも、金本位制自体はとてもよくできたシステムで

これは決して悪じゃない。

 

つまり、各国の通貨はバラバラだけど

金を世界経済の基本にして

みんなで自由に貿易しあって

平和な国際関係を

つくっていきましょうという

とてもよいシステムなんですが

 

非常時には、システムがうまく働かない。

ですから、第1次世界大戦のときもそうだったし

アメリカ発の世界恐慌でも 

自国の経済を守ろうと再び欧米列強は

再び金輸出禁止を宣言します。

 

世界的信用度がどんどん低下

経済は小さく内向きのものになっていくんです。

 

そして「持てる国」の

イギリス、フランス、アメリカは

それぞれ自国の通貨が通用する地域で

ブロックを固め

自国経済を守りに入ります。

 

ブロック経済です。

 

一方の持たざる国の日本やドイツは

遅まきながら外へ外へと進出していこうとしますが

 

ここでブロックとぶつかるようになります。

 

特に日本は第1次世界大戦で得た

太平洋の南洋諸島

中国大陸の満州の利権で

欧米列強

なかでもアメリカと

もろにぶつかるようになっていきます。

一触即発の状態になっていくのですね。

 

戦前の流れは現代と相似形です。

 

次回以降は、現代との比較、そして対応策について

 

突っ込んでお話していきましょう。

 

では、また次回。