明治150年 歴史より、現代の難問を解決するブログ

明治以来150年間、日本が経験してきたことを、歴史は繰り返すの観点から、現代の難問を解決します。

歴史からの教訓。百年前の「大不況から戦争」への道は避けることができるのか!?

(2017年9月17日に更新しました。)

 

こんにちは

Meiji150です。

 

今回、とりあげたいのは

現代日本と

大正から昭和にうつる時代

年号でいうと

 1995年から現代までの四半世紀と

 1920年から1945年までの四半世紀

 の時代が極めて似通っている

という指摘です。

 

1920年(大正9年)~ 1945年(昭和20年)

戦後恐慌、大震災、社会不安、

全体主義的傾向、戦争~焼土・敗戦へ

 

1990年(平成2年)~ 2015年(平成27年)

バブル崩壊後の長期不況、2度の大震災、右傾化

(引用元:集英社新書『愛国と信仰の構造

全体主義はよみがえるのか』2016年2月発行)

 

「歴史は繰り返す」という教訓です。

 

これを詳しくご説明していきます。

大事な話なので、かみくだいて話しますから

お付き合いくださいね。

 

まず、戦後恐慌についてお話しします。

第1次世界大戦がヨーロッパで起こって

ヨーロッパ列強同士が

泥沼の戦いをはじめてしまいます。

で、日本やアメリカは対岸の火事

漁夫の利ヨロシク、新興国のアメリカ

そして日本が栄えていく原因になります。

アメリカは黄金の1920年代を迎えますし

日本でも元老の井上馨

ヨーロッパが戦争になったと聞いて

「天祐」と喜んでいます。

天祐とは、天の助け、思いがけない幸運、

のことですよ。

あ、日本もアメリカも、

当時はまだ一流の国とはいえないですね。

 

当時の一流国、大国というのは

ヨーロッパの諸国をさします。

 

で、よせばいいのに、

そのヨーロッパの一流国同士が戦って

国土が荒廃してしまったもので

世界経済の中心、生産の中心が、

ボロボロになってしまうんですね。

 

つまり「ヨーロッパの没落」ですよ。

 

アメリカは、ヨーロッパに武器弾薬を

売りまくって大もうけし

 

日本は、日本で、アジア(日本を含む)

に販売していたヨーロッパ製品が

急にストップが途絶えてしまったんで

そのすきに日本製の製品がバカ売れしたんです。

実際、第1次世界大戦の時期に

日本の工業は飛躍的に発達します。

ですから、この時期に日本で

設立された会社や工場は多いのです。

それで、日本では

「成金(”なりきん”と読みます)」

という人たちが続出します。

 

ところが、ヨーロッパで戦争が終わり、

生産を再開しだすと

今まで売れていた日本製品はぱったりと

売れなくなってしまいます。

 

現代なら、考えられないことですが

当時のヨーロッパと日本の工業製品の

質の違いはくらべものにならなくて

まったく太刀打ちできなかったのです。

それで日本はいっときの好況の反動で

ひどい不況におちいってしまいます。

 

これが戦後恐慌です。

 1920年(大正9年)の3月からです。

 

3月の東京株式取引所の株価相場は、

高値549円から低値349円と大暴落しました。

 

この時期に体力のない企業は軒並み倒産し

逆に、三井、三菱、住友、安田など

財閥系企業だけが生き残って

財閥による独占体制がすすみます。

 

ちまたには失業者があふれ

「大学は出たけれど」なんていう

言葉が流行ります。

学士様でも職にありつけるのは

ごくわずかだったということです。

そして、この後、長い長い

不況の時代が続くのですが

 

長くなったので

 

続きは次回に。