明治150年 歴史より、現代の難問を解決するブログ

明治以来150年間、日本が経験してきたことを、歴史は繰り返すの観点から、現代の難問を解決します。

いま、近・現代はその役割を終えた。「失われた20年という現代の後退期」は結末を迎え、見たこともない新しい「超現代」の勃興期がもうすぐやってくる。

(2017年9月12日に更新しました。)

 

こんにちは

meiji150です。

 歴史は反復しています。

歴史上、同じことは繰り返されます

 

それはなぜか?

 

人間の集団行動原理にもとづいた

ものだからです。

最近、ビッグデータが流行りですが

これはざっくりいえば、

量がまとまれば

予測が推論できることをいうのですが

 

歴史とはまさにそれと同じで

 

多くのひとが織りなす行為の集大成が

歴史を形作るのです。

 

ビッグデータと同じ考え方です。

 

ところで

 

日本が近代を迎えた

明治維新からの150年間を俯瞰して

 

2次世界大戦と敗戦を折り返し点として

 

明治維新からの75年と

敗戦からの75年を

比較したものがあります。

 

これは実は

20162月発行の集英社新書

『愛国と信仰の構造 全体主義はよみがえるのか』

という書籍からの引用に

なってしまうのですが

 

なかなか興味深い提案なので

ぜひ引用させていただきたいです。

 

それは、近代日本150年間を

繰り返される2つの75年サイクルと見て

それぞれを三つの期に分けて

比較したものなのですが

 

第一期

1868(明治元年)~ 

   明治維新からの富国強兵の時代

1945(昭和20)~ 

   敗戦から戦後復興と

        それに続く高度成長時代

 

第二期

1894(明治27)~ 

   日清戦争からの

         アジアの「一等国」と

   日露・第一次大戦景気

1970(昭和45)~ 

   「JAPAN AS №1」と

   バブル景気

 

第三期

1918(大正7)~ 

   戦後恐慌、大震災、

   昭和維新運動から

   全体主義全盛、

   そして戦争~焼土・敗戦へ

1995(平成7)~ 

   バブル崩壊の深刻化、

   2度の大震災、右傾化 

                               

 とそれぞれ75年間を3つの時期に分け

 その相似をくくりにしたものです。

なかなか興味深い比較作業ですねえ

 

もう少し、具体的に見ていきましょう。

 

いま、便宜上、①,②と

番号を振りましたが

 

は近代のできごと、

②は現代のできごととなります

 

ここでは、明治から敗戦までを

天皇制を掲げた帝国主義の時代として

「近代」と定義づけ。

 

一方、敗戦以後、

日米安保体制による

経済大国化の時代として

「現代」と定義づけています。

 

そして、近代、現代の75年間を3区分し

四半世紀(25年間)づつに見たものです。

 

そしてそれぞれ

第一期、第二期、第三期ととありますが

これについても別の呼称を付けた方が良いでしょう。

 

まず第一期は、

ロスタート地点からの「勃興期」

とすればどうでしょう。

 

近代の勃興期は、明治維新からまったく

新しい日本を作ろうと、

 試行錯誤し、色々な意見の対立を経て

大久保利通のグランドビジョンのもと

 まず国内の充実を図っていった時代でした。

 

一方、現代の勃興期は、

敗戦でゼロと化した日本が

焼土から立ち上がり

独立を果たし、

日米安保というアメリカのバックアップ

を背景に

経済大国にのし上がっていく時代です。

 

その成功の頂点に

1964年の東京オリンピック

1970年の日本万国博覧会

がありました。

 

第二期は、「全盛期」でありましょう。

 

第一期で時代の坂道を駆け上ってきた

時代の勢いが頂点を迎え

世界がそれを認めた時代です。

 

近代の全盛期は、

日清、日露戦争勝利

第一次世界大戦

ヨーロッパが疲弊する中で

アメリカと共に押しも押されもしない

「一等国」に駆け上りました。

当時の「五大国」のひとつになります。

 

現代の全盛期ですが、

オイルショックという

大きなできごとがあり

この時代を実際に経験した世代なら

「これで日本も終わりか」と

 随分ショックを受けたものです。

 しかし、第一次オイルショックの後、

わが国は急激な産業構造の変化を果たし

 従来型産業である重厚長大産業に

とって代わり

付加価値の高い産業に重点が移り、

また第3次産業の比率が高まって

いわゆる軽薄短小の時代に移行します。

 

そして、産業構造が十分に進まなかった

 欧米と輸出で貿易摩擦を起こします。

プラザ合意を経て内需拡大のため

過剰流動性が高まり

バブル景気に狂奔します。

 

この時代を否定的にとらえるか、

肯定的にとえらえるかは

ひとそれぞれでしょう

 

融通性の高い日本の国民性が

良く出た時代と言えるでしょう。

 

そして、第三期ですが、

宴のあとの「後退期」と申せましょう。

後片付けの時代でした。

 

近代の後退期

1次世界大戦後の戦後恐慌

そして関東大震災をきっかけに

長い不況が続き、

結局「大学は出たけれど」職もない

社会不安から

不穏な反社会的動き活発化し

ついに昭和維新運動、全体主義へと進み

 

帝国主義的軍事行動が

景気回復につながりつつも

 

戦争の泥沼

突き進んでいった時代です。

 

一方の現代の後退期ですが

バブル崩壊からの自律回復の過程で

財政再建のための相次ぐ

消費税増税という失政

 

2度の大震災を経験して

 

「失われた10年」「失われた20年」

と続き

 

隣国の内政事情による反日運動に対し

右傾化の傾向が強まる日々。

極東地域の地政学的緊張が高まる日々。

 

それでここからが、

私のぜひ言いたいことですが

 

現代の後退期はすでに20年を超え

 

一つの結末を迎えようとしています。

 

そして次なる時代へ移行

しようとしているのです。

 

その時代は明らかに

明治150年のサイクルから

一歩抜け出たものとなります。

 

それはもしかしたら

 

3度目の75年間周期のはじまりである

かもしれません。

 

ならば、この数年のうちに

現代の後退期は結末を迎え

 

新たに「超現代」の勃興期

となるのでありましょう。

 

その勃興の力は、

いわずもがな

情報の知的爆発であります。

 

知識の集積の極みであるAI」

見たこともない、まったく新しい世界

を作るのです。

 

こういったことはまた深く考察します。

今日は長くなりました。

 

ではまた次回。